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えっ!?ドラえも‥‥『ミノタウロスの皿』藤子・F・不二雄

どうも凸本凹読(でこもとぼこどく)です。

ブログのみんなの記事を読んでると、店員のみんなと明らかにテイストが違いすぎて、

お店ハブられないかが心配な今日この頃です。

 

さてさて今回は大人向けの漫画の紹介ってテイストをやりたいなと思います。

最初はみんなが入りやすい様にと、有名作家からということで

藤子・F・不二雄先生の短編漫画「ミノタウロスの皿」です。

 

知ってる人には有名な話ですが、

藤子・F・不二雄先生はけっこー大人向け、

決して子供に読ませてはいけない作品を残しています。

何も知らないで読むと、ドラえもんテイストのイラストが逆に怖さを際立てます。

 

藤子・F・不二雄先生のすごいトコロは、

ただの「怖い」で終わらなくて考えさせられるトコなんですよ。

 

【あらすじ】

注:ネタバレを大いに含みます。

 

主人公が、宇宙船の事故で見知らぬ星に不時着するトコからストーリーは始まります。

そこはミノタウロスのような見た目の種族(ズン類)が支配する星、

人間のような見た目の家畜(ウス)が愛玩用・食用・労働用として飼われています。

ズン類もウスも主人公も、言葉が通じます。

主人公は異星からの客人として丁重な扱いを受けます。

 

食用のウスは、大祭で食べられる事を最高の栄誉とされていて、

おいしくなるように育てられ、自分自身でも大祭で食べられる事を夢見ています。

 

主人公は美しいウスであるミノアに心惹かれますが、

彼女は大祭で食べられる「ミノタウロスの皿」となる事を望んでいます。

主人公はミノアを「ミノタウロスの皿」に乗せないよう行動し始めますが‥‥

 

【読みどころ】

この話のポイントは

「家畜(ウス)も食べられる事を名誉に思っている」って点にあります。

 

ズン類も美味しそうなミノアを食べることを心待ちにしている、

ウスであるミノアも大祭で食べられる事を心待ちにしていいる、

そんな中で主人公一人が阻止しようとしている訳です。

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双方の望んでることとわかっていても、

違和感を感じる主人公と同じ気持ちを読者も感じると思います。

これで違和感感じない人はそうとうの強者ですよ。

 

「地球に不時着した宇宙人が、地球人が牛を食べるのを阻止しようとしたら」

って事も考えます。

「地球の牛が言葉を話せたら、食べられる事を望んでいるのか」とも考えます。

価値観の違い、自分の価値観を信じて行動する主人公の姿に

感情移入してしまいます。

 

そして大祭が始まります。

そしてミノタウロスの皿にのせられたミノアのシーンは圧巻。

これ、ドラえもん描いた人だぜ。

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さて、ミノア・主人公の運命はいかに。

 

そしてほんとに読んで欲しいのは、死後のコマのメッセージ性です、

が、あえてそれは漫画を買って読んで見てください。

 

 

ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)

ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)