『ポトスライムの舟』津村記久子
どうも!凸本凹読(でこもとぼこどく)です(●´ω`●)
今回は芥川賞受賞作でもある『ポトスライムの舟』です!
【あらすじ】
主人公のナガセは、昼は工場でラインの副リーダー、夜は友人のカフェでパート、土曜はお年寄り向けのパソコン教室の講師、として働く女性。御歳30前。
強い不満もないけど、『時間を金で売っているような気がする』というコトが頭を過ぎる毎日。
ふっと目に止まった世界一周のクルージングのポスター、その金額が自分の工場の年収と同じだと気付いたナガセは、自分の一年と世界一周と同じ重さだと感じ………
【凸本凹読的オススメポイント】
この作品はどこか鬱屈とした空気感の描き方がめっちゃ上手いなーと思います!
主人公のナガセの感覚、めっちゃわかる!わかんねんなーー!ってなります。
ロスジェネなんて言われたりしますが、バブル期とは違う仕事の感覚とか結婚の感覚とかせやねん、せやねんってなります。
東京生まれ、東京育ちの凸本が関西弁(舞台は奈良県)に感化される位の同調のA・RA・SHI!
ふーーーーっ!
あくまで客観的に描かれていって、
主人公と「私」ではなく「ナガセ」って書かれていって、
ものすごく熱量がある書き方なわけでもなくって、
だから何か響くって!
【凸本凹読的名場面】
少しネタバレですが、
ナガセが世界一周クルージングのお金を貯めるコトを決意する場面。
夜道を自転車こぐナガセ、
交差点に差し掛かるナガセ、
ブレーキが効かないのに焦るナガセ、
電柱に突っ込むナガセ、
「わかった。貯めよう。」
ナガセっ!?
うむ、でも何かを決意する時に強い事件なんておこらないょね、なんとなくで決意するコトってあるよねってトコ、それ共感。
【凸本凹読的まとめ】
ふっと自分の昔を思い出す作品でした!
日常が淡々としてるなって、大げさじゃなくていいから、変化欲しいなって思った時にいいかも( ̄∇ ̄)